Twitterのトレンドまで!? 微積分で「変化の様子」が表せる!(後編)


この記事は後半です。
ぜひ前半からお読みになって下さい。
Twitterのトレンドまで!? 微積分で「変化の様子」が表せる!(前編)


微分方程式を解いてみる

微分方程式

微分「方程式」ということは、この方程式も解けるんですか?

この方程式「は」解ける。

その解こそ、ツイート数の関数、というわけですね。

でも微分方程式の解き方なんてあまり知らないですよ。

まあ今回は微分方程式を解くことを話したいわけじゃないから、とりあえず答えだけ出してしまおうと思う。

一応、簡単な微分方程式\displaystyle\frac{dy}{dx}=ayの解がy=Ce^{ax}(Cは定数)ということくらいは数学Ⅲの教科書に載っていた気がする。

この方法で、さっき求めた微分方程式・・\displaystyle\frac{dy}{dt}=ay(N-y)も解くことができる。

と、いうわけで解いてみました!

微分方程式

一番初めのツイート数をN_0としといた。

うわぁ・・。

なんだかヤバイですね・・。

いまさらですけど、eってなんでしたっけ?

eはネイピア数。自然対数の底だ。

ネイピア数・・2.71828\cdotsでしたっけ。そういえばやりました。

微分方程式の話になると、もういたるところに登場する。


「トレンド入り」の「数理モデル」

ぽんさん、確かに方程式を解いて関数は出てきたけど・・・

微分方程式

文字が多すぎてよくわかんないですよ・・・

まあ確かに変数が多い。

今回だと、限界値N、初期ツイート数N_0、それと比例定数で置いていた伸び率を表す変数aを決めればこの関数は確定する。

確定すればグラフが描ける・・と。

そうなる。

と、いうわけで例を出して実際に変数を決めていこうじゃないか。

6月24日、国民投票でイギリスのEU離脱が決まった。

このことが与えたインパクトは大きく、ツイッター上でももちろん「イギリス」がトレンド入りした。

そのツイート数の推移がこれだ。


「イギリス」のツイート数

そういえば政経の先生も、「これは目が離せないぞ!」とやたら興奮して話していましたね。

それで、この折れ線グラフの数値から変数を決めていくんですか?

うん。

とりあえず5時から21時までのグラフを関数で表してみよう。

 

初期値N_0と、限界値Nはすぐ求められて、N_0=10,N=1500ということにしておこう。

あとはaだが・・

これは一応決める方法があるにはあるんだだが、ちょっと面倒なので今回はまあてきとうに決めてしまう。

そうなんですか。

今回は\displaystyle a=\frac{0.59}{1500}としておく。

とてつもなく小さそうですね・・。

これらの値を代入すると・・・

微分方程式

となる。これでようやくちゃんとグラフが描けるぞ!

代入してもやっぱりごちゃごちゃした式ですね・・

よし、ゆう!

え、何ですか・・

数学Ⅲを勉強しているおまえならきっとできる!

ま、まさか・・

微分して増減表を書いて、この関数のグラフを描くんだ!

わかりました!

って、絶対イヤですよ!

まあそうだよな。

ということでソフト使って描いてみました!

これがツイート数推移のグラフだ!


グラフ \displaystyle y=\frac{15000e^{0.59t}}{1490+10e^{0.59t}}のグラフ

元のグラフと重ね合わせてみると分かりやすいぞ。


グラフ 赤:\displaystyle y=\frac{15000e^{0.59t}}{1490+10e^{0.59t}}のグラフ、青は元の折れ線グラフ

完全一致といかないまでも、全体的な特徴はつかめているだろ?

本当だ・・すごいです。

数式で描いたグラフのほうは、初めは下に凸の曲線だが途中からは上に凸の曲線になっている。

接線の傾きが増加し続けているのが下に凸、減少し続けるのが上に凸ですね。

そういった形なので少し「S」の字を斜めに倒したような曲線、いわば「S字曲線」になっている。

こういった曲線を「ロジスティック曲線」とかいう。

俺たちは、「トレンド入り」を数学の言葉で表して、式を立てて、関数を見つけた。

「トレンド入り」を「数理モデル」化することに成功したんだ。

なんだかかっこいいですね!

なんでも「数理モデル」にできたらすごそう!

というとなかなかそれは難しいんだな。

今回の話だと「トレンド入り」するキーワードはすべて「S字曲線」になるということになるんだが・・

初めに挙げた「ベッキー」や「SMAP」のツイート数の推移は上手く表せそうだが、「清原」のツイート数の推移はたぶん難しいな。

あと、さっきから使っている「イギリス」の例だが、これも22時からまたツイート数が増えてくるのでさっきの曲線とはズレが出てくる。

なんでダメな場合が出てくるんですか?

仮定がまだ甘いってことかな。

今回だと、「みんながやるからやってみるか」と「飽きた」という2つの感情でトレンドができてくると考えたが・・

もちろんツイート数に影響を与える要因は他にもあるだろう。

たとえば、イギリスの例では22時に、清原さんの例では17時にツイート数は大幅に上がる。

なんでだと思う?

うーん・・

ヒントはテレビだな。

あ!

この時間帯はニュース番組が多いからですか?

そうだな。

ニュースが多く、テレビで見て知った人がツイートしてツイート数が増大することが考えられるわけさ。

このことを踏まえてまた式を変えていけば、数理モデルの改良ができることになる。

それを繰り返したら数学を使って完璧に「トレンド入り」を表現できるようになるんですね!


「数理モデル」は何の役に立つの?

いまさらなんですが・・・

数理モデルを作ると何かいいことでもあるんですか?

もちろんあるさ。

現象の全体的な動向が予測できることになるから、それを使って予測・計画の変更などいろんな検討ができるようになる。

物体の運動を非常にうまくモデル化したのが物理の力学ということになるし、理科のほとんどは数理モデルと言ってもいいかも。

もちろん今考えてるツイッターの予測とは正確さが段違いだけどね。

こういった科学的なもの以外にも、利益を最大にするための仕入れ計画とか、人口増加の予測とか、国家間の軍拡競争とか・・

経済学や、金融工学も数理モデルに入るかなあ。

こんな感じで、非常に幅広い範囲に対して数学を使って考えるというのが、数理モデルの特徴だな。

とっても面白そうです!

さて・・・ここまで話を聞いた上で、以前話したAKBのCDの売り上げ予測の話を思い出してみるといいよ。

きっと新しい発見があると思う。

分かりました!

数理モデル・・とても夢がありそうだし、微分と積分にもっと詳しくなって本を探してみます!

またリストに本を加えておくから興味あるなら探してみてくれ。

ありがとうございます、ぽんさん!

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もっと楽しい数学のお話あります!