- 数学には「鳩の巣原理」という面白い考え方があります。
- この原理を用いれば、ある街に髪の毛の本数が同じ人がいることを示すことができます。
人口150万の街に「髪の毛の本数」が同じ人がいるかって・・・
そりゃあ…少しはいるんじゃないかな!
いそうな「気はする」よね。じゃあそれを証明できる?
えっ、それくらい!
・・・うーん・・・
・・・・
なかなか難しいね~
そうだよね。
とりあえず、話を整理してみよう。
今分かっているのは2つのことだ。
2つ?
人口が150万ってこと以外に何があるのさー
人の髪の毛って最大で何本あると思う?
髪の毛・・・1000本くらいあるんじゃないの!?
もっと多いんだな~これが笑
実は、髪の毛の本数は多くて25万本だと言われている。
ほええ~とにかく多いんだね!
ぽんさんが髪の毛にも詳しいなんて知らなかった!
ってことは、人口が150万人って事と、髪の毛は多くて25万本って事の、2つが分かってる訳だね!
今わかっていること
(1)人口は150万人
(2)髪の毛の数は多くても25万本
そうだね。
それで、次は150万人のうち、25万人の髪の毛の数を数えることを考える。この25万人が全員髪の毛の数が違うとしよう。
全員髪の毛の数が違う?
髪の毛の数なんか、分かりっこないよ!数えられないもん!
じゃあ仮に数えられるとしよう!
えっ、うーん・・・
ある人の髪の毛が1本なら、また別の人の髪の毛は2本だったりして、この25万人の中に髪の毛の本数が同じ人はいない・・って感じかなー?
そうだね。25万人全員髪の毛の本数が違う。
さて25万人数え上げて、人口は150万だから、まだまだ残りがいる訳だけど…
25万1人目の髪の毛の本数は何本だろう?
えっと…髪の毛の数は、最大で25万本だから、25万本より小さい数のどれかでしょ?
たとえば?
たとえば100本とか、30本とか、
うん、そんな感じだね。
それで、ここが大切なんだけど、
最初に数えた25万人の中に、「今あかりが言った髪の毛の本数の人が含まれてる」よね。
最初に数えた25万人は、全員髪の毛の本数が違うから・・・
ああっ!!!そうかなるほどー!
確かに含まれてるね!
そうだね。
ということで150万人いたら髪の毛の数が同じ2人がいるということが分かるわけだ。
いやーなんだか難しい考え方だったな~
でも、今の話と数学って、何か関係があるの?
関係あるよ。今の議論は数学で言うところの「鳩の巣原理」というものなんだ。
鳩の巣原理・・・数学に鳩??
そう。例えば鳩が10羽いるとして、巣が9つあるとしよう。すると、少なくとも1つの巣には2羽以上の鳩がいることがわかる。
当たり前だよ!鳩のほうが数が多いもん!
そうだよね。
それで、今回出した問題は、人口が鳩に対応していて、髪の毛の本数が巣に対応している。
人口の150万は、髪の毛の本数の25万より多い・・・
なるほどね~
この鳩の巣原理は、証明方法の1つとして使われたりする訳だ。
証明方法・・・??
矛盾を発見する「背理法」や、対偶を使って証明を行う方法とかだよ。
あ、学校でやった気がするな〜
気がするだけかい!