- 片方が増えたら片方も増える(正の相関)関係や、片方が減ったらもう片方が増える(負の相関)関係のことを「相関関係」といいます。
- pという条件があったらqという結果になるという関係のことを因果関係といいます。
- 相関関係があるからといって、安易に因果関係を当てはめてしまわないように注意しましょう。
ぽ、ぽんさん・・!
左利きの人が長生きできないって記事があったんだ・・
これ、これ!
左利きは右利きより平均寿命が9歳短いとの研究結果 根拠に乏しい?(ライブドアニュース)
あかり、よく見ろ・・
それ日本のデータじゃないぞ
あっ、ほんとだ
でも、左利きはストレスがたまって早死にしやすいって書いてるよ
俺の友人にも左利きがいるけど、ファミレスでスープ入れるとき以外にあまり困った記憶はないって言ってたけどな
おたまが左じゃ持ちにくいらしい
あと、黒板に文字が書きにくいとか言ってた
生活に不便してる・・ってほどじゃなさそうだね
まあでも潜在的なストレスとかが・・
左利きに何かうらみでもあるのか・・
100歩ゆずって、同じようなデータが日本で取れたとしよう
たとえば、こんな棒グラフみたいな感じで
繰り返すけど、これは「仮の」データだからね、こんなデータは実在しないぞ。
はい!
さて、このデータからわかるのは、「亡くなった左利きの人のうち、高齢者は少なかった」ということだけだ
だから、左利きの人は寿命が短いんじゃないの?
そう結論するのはまだ早いな
実は高齢の世代になるほど、左利きの割合が減っていくことが調査でわかってる
やっぱり寿命が短いからなんじゃ・・
いや、違うぞ
昔は子どもが左利きだった場合、右利きになってもらおうと親がしつけをすることが多かったんだ
時代とともにそういうことが減ったので、昔よりも左利きの子どもが増えつつある
へえ~
だから、そもそも高齢者の左利きが少なかったので、若くして亡くなる左利きの人が多いように見えているだけだ
左利きだと寿命が短くなるわけでは決してない
全国の左利きのみなさん、ごめんなさい・・
統計とか、こういったグラフでわかるのはあくまで「相関関係」でしかない
そーかんかんけー?
なんだっけ、それ・・?
片方が増えたら片方も増えるとか、片方が減ったらもう片方も減るとか、そういう関係性のことだよ
・・・
あ~、そういえばやったような、やらなかったような・・
おいおい・・・
でも、ぽんさんの言っていることはわかった!
相関関係のほかに
「pという条件があったらqという結果になる」という関係を、「因果関係」というけど
いんがかんけい・・
「相関関係」しか読み取れないグラフから「因果関係」を決めつけてしまったのが今回のあかりの失敗だな。
でもまあわりとありがちな失敗だよ。
ぽんさん、もう少しわかりやすく言ってよ~
「亡くなった左利きのうち、高齢者は少なかった(相関関係)」というデータを見て、「左利きなら長生きできない(因果関係)」って間違った結論を出しちゃったってことだよ
なるほど~
相関関係があるからといって、因果関係があるとは限らないって例だったな
相関関係と因果関係
相関関係・・片方が増えたら片方も増える(正の相関)関係や、片方が減ったらもう片方が増える(負の相関)関係
因果関係・・pという条件があったらqという結果になるという関係
データを見ただけでわかるのは相関関係のみ
相関関係があるなら因果関係がある、とは限らない
因果関係があるなら相関関係もあるのか?
じゃあぽんさん、逆に・・
逆に?
因果関係があったら相関関係もあるの?
単純な場合に限ったらそうかな~
単純な場合ってなに?
うーん・・
たとえば、ボーリングってピンをたくさん倒せば点が入るように得点決めてるだろ?
うん
倒したピンと得点との間に「因果関係」があるわけだ
それで、倒したピンの数と得点の間の「相関関係」を調べると当然強い正の相関が出る
おぉ~
まあ、相関とかを調べる統計学は、「まだよくわかっていないものの関係性」を調べるための道具だから
すでに因果関係が明らかになってるものにはあまり使わないと思うけどな
もう1回言うけど、データだけでわかるのは「相関関係」だけだから
そこは十分気をつけてくれ
はい、ぽんさん!