難しい二項定理の中に隠れた、大量の三角形を見てみよう!


要点チェック!
  • 二項係数から、パスカルの三角形という左右対称の図形を作ることができます。
  • パスカルの三角形に色を塗ると、大量の三角形が浮かび上がってきます。
  • ある図形と相似な図形が、その図形の中に含まれているものを「フラクタル」といいます。

二項定理は学校で習った?

い、一応…習いました…

一応というのは、どういうことだ(笑)

だって、二項定理すごく難しいんですよ!

確かに、初めて二項定理を習った時は意味不明だよね。皆そうだよ。

正直今でも理解できてる気がしません…
演習問題をする時も、頭のなかゴッチャゴチャです…

あ、でも、すごく面白いと思ったのもありましたよ!

ん?なになに?

「パスカルの三角形」でしたっけ?あれはとても面白かったです!
足していくだけで、二項係数、でしたっけ?の部分がどんどん出てくるところ、面白いですよね?


パスカルの三角形パスカルの三角形

「でしたっけ?」が多すぎだよ(笑)
パスカルの三角形も、二項係数もあってるよ。

よく、ぽんさんのような数学が得意な人は、「数学は美しい」なんて言いますよね。

あの意味、全然わからなかったんですけど、なんかちょっとだけ、言ってる人の気持ちがわかった気がします!

パスカルの三角形を見てると、左右対称で、キレイだなーって思います!

おぉー!ついに数学が美しいと思えるようになったか!

いや、まだそこまでは…
その人の気持ちがわからないことも無いかなぁ〜って思っただけですよ…!

じゃあ、せっかくなので、もっと美しい話をしよう。

なんですか!?

実はパスカルの三角形には、もっと面白い性質があります。この性質を見れば、さらに「数学は美しい」と思うかもしれません!

気になります!その性質!

じゃあ実際に調べてみよう!
はるか、色えんぴつ持って無い?色ペンでもいいよ。

えっ!ありますけど…どうするんですか?
数学の勉強に色鉛筆ですか?

そうだよー!じゃあパスカルの三角形に塗り絵をしよう。
まずは、偶数の数字に色を塗ってみよう。

俺も塗るから、一本ペンを貸してくれ

いや、いいですけど…
何が始まるんですか、これ?

まぁまぁ、塗ってみたらわかるから!

ううう、わかりました…


〜 3分後 〜

こんな感じでどうですか!


10行目まで偶数を塗りつぶしたパスカルの三角形10行目まで偶数を塗りつぶしたパスカルの三角形

そんなにキレイじゃないような…気がします…

うーん。まだまだだな。もっと塗ろう!

わかりました。もうちょっと塗ってみます。


〜 さらに30分後 〜

・・・

・・・

・・・えっ!

これは…!確かにキレイですね!


50行目まで偶数を塗りつぶしたパスカルの三角形50行目まで偶数を塗りつぶしたパスカルの三角形

おぉー案外きれいに塗れたねー!

見ての通り、パスカルの三角形の中に、大小様々な三角形が隠れているのが一目でわかる。

すごい…二項係数の中に、こんな姿が隠れていたんですね…

感動した?

はい!すごくびっくりです!

ちなみに、いま偶数を塗ってみたけど、3の倍数を塗ってみたらどうなると思う?

…え、また塗るんですか…
これ結構時間かかりますよ…

そういうと思って、さっきはるかが必死に塗ってる時間に、俺が塗っときましたー!

じゃーん!


3の倍数を塗りつぶしたパスカルの三角形3の倍数を塗りつぶしたパスカルの三角形

おお!3の倍数の方もキレイですね!

そう言われると、塗ったかいがあったよ。

このような、大きさは違うけども、形が同じ図形(相似な図形)が入り組んでいるような図形を、「フラクタル図形」と言ったりします。

ふらくたる?ですか?

うん。そうそう。
googleの画像検索などで、「フラクタル図形」と調べてみると、これと似たような美しい図形がたくさん見られるよ!

フラクタル図形 – Google 画像検索

あまりよくわからないですけど、なんだか凄そうですね…

こんな美術作品みたいなのも、数学なんですか?

もちろんそうだ。
今、がんばって偶数や3の倍数に色を塗ったみたいに、座標の上で、何かの条件を満たしたらこの色、別の条件なら違う色、と言う感じで色を塗っていくと、座標上にきれいな芸術作品が出来上がることがある。

面白そうですね!

でも、学校で習ったパスカルの三角形に、このような美しい姿が隠れてたとは、ホントにびっくりしました!

3
もっと楽しい数学のお話あります!