- 数学を駆使すれば、未来を予測することができます。
- 関数とは、何かを入れれば何かが出てくる「箱」のことです。
- ロジスティック関数を用いれば、AKBの売上を予測することができます。
今日はみんなに、AKB48のお話をしたいと思います!
えっ…どうしちゃったのぽんさん?
AKBにハマった?
いやいや、そういうことじゃなくて、AKB48を題材にして、みんなに「未来予測」をしてもらおうと思ってね!
もちろん「数学」という武器を使って、未来予測をするんだけどね。
「未来予測」と聞くと、なんだか面白そうです!
CDの売上枚数とかを予測するんですか?
おお!なかなか勘がいいね!
はるかの言う通り、今回は「AKB48の将来のCD売上枚数の予測」をする。
そして、そのために使う数学の武器は「関数」だ。
うーん…なんだか楽しそうな難しそうな…
まあ、楽しみながらゆっくりやっていこう!
ところで、はるかは音楽が好きだったよね?
音楽番組とかは見る?
はい!見ますよ!
その中で「今週のCDシングル売り上げランキング」みたいなコーナー、あるよね?
はい、あります。
AKB48のCDが発売された週は、いつもその曲が1位なんですよ!
AKBって、そんなに人気なの?
はい!でも、「最近は勢いが落ちてきた」っていう人もいます。
CDが発売された週の1週間の売上を「初動売上」っていうよね。
AKBのシングルの初動売上をグラフにすると、こんな感じになる。
へぇー!途中ですんごい伸びてるねー!
グラフにしてみると、分かりやすいですね!
そういえば確かに、「ポニーテールとシュシュ」とか「ヘビーローテーション」とか、あの頃からAKBの人気が上がってきた気がします。
うん。グラフを見ると、確かにそんな感じだ。
こうしてグラフにして見てみると、面白いですね。
でしょ?実は他のいろんなアーティストのシングルCD初動売上もグラフにしたんだけど、これは最後のお楽しみにしよう!
えー!早く見たいよ〜!
まぁまぁ。その前に将来予測のための武器である「関数」のお勉強をしよう。
関数は「箱の数」?
ところでみんなに問題です!
数学のことを知らない小学生に「関数ってなにー?」って聞かれたら、なんて答える?
えっ、関数…ですか…?
全然わかんない!
はやっ!(笑)
ゆうは分かる?
うーん…いざ「関数とは」って聞かれると、難しいですね…
まあ、人それぞれ説明の仕方はあると思うけど、
俺はよく「関数とは何?」って聞かれたら、「箱の数だ!」と説明している。
は、箱…?なにそれ?
実は昔、関数は「函数」と書かれていた。
「函」は「箱」という意味だ。
だから、関数は「何かを入れたら何かが出てくる箱」のことなんだ。
え、えっとぽんさん。
全然意味分かんないんだけど…
うーん…例えば、こんな緑色の箱を考えよう。
「サッカー」を箱に入れると、その箱から「11」という数字が出てくる。
「野球」を箱に入れると「9」が出てくるし、「バレー」を箱に入れると「6」が出てくる。
これ、「1チームのプレイヤーの数」だよね。野球は1チーム9人だし、サッカーは1チーム11人だよー
そう!でね、この「箱」のことを「1チームのプレイヤーの数 関数」と呼ぶ。
え、え、ちょっと待って下さい…
箱が、関数…?
関数って「y=なんとかx」みたいなの、ですよね?
関数はすべて「y=なんとかx」で表せるというのは、高校数学までだよ。
「y=なんとかx」で表せない関数もいくらでもある!
慣れたほうが早いから、もう一つ例を出そう!
箱に入れた文字の、最初の文字が箱から出てきてます。
うん。そうだ。
で、この「箱」を「最初の文字 関数」と呼ぼう。
これって、数学なんですか?
数字が出てこないので、なんか数学っぽくないような気がしますが。
確かに、数学というよりかは、クイズみたいだね。
でもこれは、残念ながら立派な「数学」だ。
では最後に、数学っぽい例を見てみよう。
これは、数字しか出てきてないのでなんか「数学っぽい」ですね。
うん。ゆうが言った通り、「箱に入れるもの」と「箱から出てくるもの」が両方とも数字だね。
この箱は、入れた数字を2倍した数が出てくる箱だとしよう。
そういう時に、箱に入れる数を$$x$$、箱から出てくる数を$$y$$として、
この箱を「関数$$y=2x$$」と呼ぶんだ。
あああ!よく見る形だ!!
あ、そっか!
$$x$$が箱に入れる数で、$$y$$は箱から出てくる数ですね!
なんか、今まで高校で学んできた「関数」と、ぽんさんが説明してくださった「関数」がつながった気がします!
なんだか色々言ったが、まとめるよー!
関数とは簡単にいえば「何かを入れたら何かが出てくる箱」のことだ。
で、高校数学では、「箱に入れるもの」と「箱から出てくるもの」の両方が「数字の場合だけ」を扱っている。
そういうときは、その箱のことを「関数$$y=2x$$」のようにして書くことがある。
でも、さっき例で見せたように、関数によっては、数字以外にも文字を入れたり、記号を入れたり、色んな物を入れることができる。
こういう例は、残念ながら高校数学では扱わない。
な、なんか関数ってすごいね…
関数で将来を予測する
ねぇぽんさん。さっきからずっと関数の話ばっかで、あんまり面白くないよ!早くAKB48の話しようよ!
まぁまぁ、その前に、関数でどうやって予測をするかを説明しないといけない。
さっきのピンクの箱に似てるんだけど…
以下の箱に、2っていう数字を入れたらいくつになるか予想できるかな?
予想も何も、4が出てくるんでしょ?
だって、1入れても3入れても8入れても、出てくる数字はピンクの箱とおんなじじゃん。
ピンクの箱と紫の箱って一緒でしょ?
いや、-2が出てくるかもしれない。
えっ…?ちょっと待って、ぽんさん何言ってるの?
ゆう、分かる?
この箱は、ピンクの箱と同じく関数$$y=2x$$に見えるけど、それはあくまで予想にすぎないってことですよね
おお!その通り!
え…え?え?
ちょっと待ってください…私もよく分かってないです…
そうだよ、なんで-2が出てくるの?2って2倍したら-2だっけ?
じゃあ順を追って説明するよ!
俺たちは、紫の箱に1を入れたら2が、3を入れたら6が、8を入れたら16が出てくることを知っています。
座標上に点を打つと、こんな感じです。
この3つの情報から、俺たちは、紫の箱の正体は、ピンクの箱と同じく「関数$$y=2x$$であろう」という「予想」を立てました。
その「予想」に基づくと、2を箱に入れたときに出てくる数字は4です。
ちょ、ちょっと待ったぁぁー!!
なんで「予想」なの!?紫の箱って、絶対に$$y=2x$$だとは限らないってこと?
そうだよ。
1入れると2、3入れると6、8入れると16って、関数$$y=2x$$以外に何があんのさ?
$$y=-x^3+12x^2-33x+24$$
えっ…?
お、計算した?
はい、導出してみました。
ちょ、ちょっと待って下さい…
…
確かに、1を入れると2が、3を入れると6が、8を入れると16が出てきます…!
【関数$$y=-x^3+12x^2-33x+24$$について】
$$x=1$$なら
$$y=-1^3+12\times1^2-33\times1+24=2$$
$$x=3$$なら
$$y=-3^3+12\times3^2-33\times3+24=6$$
$$x=8$$なら
$$y=-8^3+12\times8^2-33\times8+24=16$$
で、この「予想」に基づくと、2を箱に入れた時に出てくるのは、-2ですね。
【関数$$y=-x^3+12x^2-33x+24$$について】
$$x=2$$なら
$$y=-2^3+12\times2^2-33\times2+24=-2$$
す、すごい…
こんな関数の形があるんだね…
「関数の形は、具体例からでは完全に決まらない」ということですかね?
その通り。紫の箱は、
関数$$y=2x$$
かもしれないし、
関数$$y=-x^3+12x^2-33x+24$$
かもしれない。
これは、今回のように具体例が3つじゃなくて、4つになっても5つになっても、100でも1000でも起こってしまう現象だ。
あっ!
なにか気づいた?
今って、箱に入れる数と出てくる数の具体例から、その箱の関数の形を予想しました。
そして、その関数の形を利用して、具体例に無い、2を入れた時に出てくる数を「予測した」ということですよね!
そう!その通りだよはるか!
俺たちは今から、AKB48の今までのCD売上枚数のデータを利用して、箱、つまりは売上関数を予想する。
そして、その関数を利用して、AKB48が次に出すCD売上枚数を「予測」するんだ!
あーなるほど…なんか関数って凄いですね。
え、ちょ、ちょっとまって…
あかり全然理解してないんだけど…
まだ分からなくても大丈夫!
では、順を追って説明していこう!
続きはこちらから…
AKB48の売上を、高校で学ぶ関数を使って予測しよう!(後編)