- 間違い探しをしているときは、脳内では「合同ではない三角形」を探しています。
- 三角形の合同は、災害現場の特定にも使われています。
あかり、何やってるの?
あ、ぽんさん!
いまね、間違い探しをやってるんだけど…ぽんさんわかる?
うーん…どこだろう…?
あかりは分かったよ!
えっ!どこ?
一番下の鳥の位置が違うんだよー!
えっ…
うわっ!ほんとだ…
ぽんさんって、案外こういうの苦手?
あんまり得意じゃないかもしれないね…数学の平面図形の問題も、高校生の時はそんなに得意じゃなかったし…
ぽんさんって、ほんとに何でも数学の話に持って行きたがるよね〜
間違い探しと平面図形?
確かに、絵は平面だけど…笑
でも、間違い探しは平面図形と密接に関わってるよ?
え、ほんとに…!?
ほんとに平面図形の問題なの?
うん。そうだよ!
さっきまで、間違い探しをしていたよね?
でも実は、間違い探しをしてる人の脳内では、意識しないうちに「合同では無い三角形」を探しているんだよ。
え、じゃああかりは、今さっき、自分で知らないうちに「合同では無い三角形」を探してたってこと?
うん。そうそう!
「間違い探し」は「合同では無い三角形探し」とも見えるわけだ!
例えば、さっきの問題、3羽の鳥がいたよね。くちばしを結んで三角形を作ってみよう。
え、えっと…こんな感じ?
うん。簡単のために、(A)と(B)という記号を書いてみよう。
この(A)と(B)の三角形は合同かな?
違うよ。だって、一番下の鳥の位置が違うもん。
それじゃ数学になってないよ(笑)
三角形の合同条件って何だっけ?
あ、そっか!
えっと…確か3つあったよね。
三角形の合同条件
(1)3辺がそれぞれ等しい
(2)2辺とその間の角がそれぞれ等しい
(3)1辺とその両端の角がそれぞれ等しい
分度器は今持ってないから、定規で長さ測れば、合同かどうか、すぐ分かるよ。
〜1分後〜
測れたよ!
うん。やっぱり(A)と(B)の三角形の辺の長さが違う組がある!
(A)と(B)は合同じゃない!
うん。そうだね。
で、合同じゃないってことは…?
えっ…合同じゃないってことは…
あっ!そうか!
3羽の鳥を結んだ三角形が合同じゃないから、3羽の鳥のうち、どれかの位置が動いたってこと?
そう!その通り!
2つの画像を見比べて、間違いを見つけたいときは、その2つの画像に書かれているものを結んで三角形を作り、その三角形が合同になってるかどうかを考えればいいんだよ!
合同だったら3つとも位置が動いてないと考えるのが自然だし、もし合同じゃなかったらどれかが動いてるってことだね。
へぇーなるほど!
でも、いちいち三角形を書くより、絶対に直接探したほうが早そうだよ…(笑)
まぁ確かに、人間だとそうかもしれないね。
でも、コンピュータに間違いを探してもらうときは、その絵に映ってるもので三角形を作って、その長さや角度を計算してもらうといいかもしれないね。
コンピュータって、計算早いもんねー
じゃあ、もうちょっと複雑な例も見てみよう。
もう一緒じゃん!(笑)
まあまあそう言わず…
まず三角形を作ります。
そして、三角形の辺の長さを測ったり、角度を測ったりして、それぞれの三角形が合同かどうかを確かめます。
なんかめんどくさそう…
まぁそう言わずに、定規を使って測ってみよう!
〜5分後〜
えっとね、(1)と(2)と(3)は合同だったけど、(4)と(5)は違ったよ。
お、お疲れ様!どの条件使った?
定規しか持ってないから、全部の辺の長さ測ったよ…「3辺がそれぞれ等しい」っていう条件だね!
うん!おっけー!
(1)と(2)と(3)が合同だということは、(1)と(2)と(3)に関わってる点は変化してないということだ。
そして、(4)と(5)が合同じゃないということは、(4)と(5)に関わっているどれかの点が変化したということだ。
ああ!なるほど!
ということは…赤の点が動いた!
そう!正解だ!
おお!なんか面白い!これさえできれば、どんな究極に難しい間違い探しでもできるね!
とても時間がかかるけどね(笑)
あと、色の変化だとこの方法じゃわからない。
あ、そっか…
色の変化も数学的に理解できたら、それこそどんな問題でも解けるようになるよ!
まあその話は、またのお楽しみということで…!
はーい!
あと、この技術は、例えば、災害箇所の特定とかに応用されたりしているよ。
例えば地震のような災害を考えてみる。地震が起こる前の空中写真と、地震が起こったあとの空中写真を比べて、変化しているところを探すんだ。「ビルが少しゆがんでる」とか「木が倒れてる」とかを見分けることができる。
おお!なるほど!
平面図形で習う知識も、意外と身の回りでも使われてるってこと、理解してくれると嬉しいよ!